Debianを構築した関係で、使用できなくなった機能があります。
ファンの制御と電源スイッチによる制御です。
サーバーとして構築していますから、実用的には問題ないでしょうが、機能としてはあるに越した事はありません。
特に、内部温度の変化によるファンの制御はサーバーとして運用していく場合でも必要なのではないでしょうか。
Debian構築当初は、Halt コマンドも使えませんでしたが、それは前章の初期設定で解説した通りのファイルの書き換えだけで済みました。
当然の事として、これだけでは電源スイッチの長押しによる電源切断やファンの温度制御はできません。

色々調べて所、世の中には優秀な方が大勢いらっしゃって、対処方法を解説されております。
私の場合は、Juns'Homepaseさんが作成されたmiconapl互換コマンドの作成をそのまま使わせていただきました。
これによって、温度によるファン制御や電源スイッチによるパワーオフが出来るようになり、非常に快適になりました。
以下に私がこの機能を導入した手順を示します。
導入自体は非常に簡単で、まず micon20070818.tar.gz をダウンロードさせていただきます。
私の場合はそのファイルをrootに転送しました。

kurobox:~# tar zxf micon20070818.tar.gz

micon20070818 ディレクトリへ移動します。
kurobox:~# cd micon20070818

展開で出来たファイルをコピーします。
miconは名前を変えてコピーします。

kurobox:~# cp micon /usr/local/bin/miconapl

kurobox:~# cp Fand /usr/local/bin/

kurobox:~# cp Keventd /usr/local/bin/

kurobox:~# cp fan.prof /etc/

kurobox:~# cd
kurobox:~# vi /etc/rc.local

rc.localの内容を下記のようにします。

#!/bin/sh -e
#
# rc.local
#
# This script is executed at the end of each multiuser runlevel.
# Make sure that the script will "exit 0" on success or any other
# value on error.
#
# In order to enable or disable this script just change the execution
# bits.
#
# By default this script does nothing.

MICONAPL=/usr/local/bin/miconapl

${MICONAPL} -b -a boot_end

if [ -x /usr/local/bin/Keventd ] ; then
/usr/local/bin/Keventd &
fi

if [ -x /usr/local/bin/Fand ] ; then
/usr/local/bin/Fand &
fi

/usr/local/bin/miconapl -a bz_on boot

exit 0

rc.localは解凍して得られたrc.localの内容と一部異なっております。
元のままでも良いのかも知れませんが、取敢えず私のrc.local の現状を載せました。

動作の仕組みは、起動時に、/etc/rc.local が実行されます。
MICONAPL=/usr/local/sbin/miconapl ${MICONAPL} -b -a boot_end で玄箱の制御マイコンとの通信の初期化を行います。
後は、Keventd が電源とリセットボタン関係、Fand がファンの制御関係を受け持ちます。
完全に起動した際には、ブザー音により起動が確認できるようになっています。

以前は、リブートした場合には、電源表示LEDが点滅状態になったのですが、これを行ってからはそのような事はなくなりました。
又、Haltコマンドで終了した後には、直ぐに電源スイッチで起動できなかった(一旦ACプラグを抜かないと駄目)のですが、そのような事も無くなりました。
制御系統が色々追加されたと思います。
動作しているかどうかは、シリアルコンソール上で下記のように表示されますので確認できます。

Orion1 CPU = Low

途中省略

miconapl -a option
option: boot_start
boot_end
power_off
shutdown_wait
shutdown_cancel
reboot
temp_get
fan_set_speed [arg]
fan_get_speed
bz_on [arg]
bz_set_freq [arg]
bz_melody tempo note ..
bz_imhere tempo note ..
int_get_switch_status [arg]
led_set_bright [arg]
led_set_cpu_mcon [arg]
led_set_on_off [arg]
led_set_blink [arg]
led_set_code_error [arg]
led_set_code_information [arg]
mcon_get_status
hdd_set_power [arg]
mcon_get_version

この後にピロピロと音がして、debianが立ち上がった事が確認できます。
玄箱固有の環境も動作させる事が出来て、Debianもようやく一人前になったと感じるのは私だけでしょうか。

電源スイッチ関係のCPUとのコンタクトがうまくいかないくて制御できない場合が稀にあるようです。
この場合、シリアルコンソールで見ると設定終了後のログイン入力が直ぐに出てきませんので、通信ミスが発生した事が判ります。
その場合でも、他の機能には影響は無いようですから、電源スイッチの長押しによる切断とFANコントロールができないだけですから、気にしなくて良いでしょう。

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