糞Vistaを弄(いじ)る
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 最初に

「糞Vista」と私が言っておりますのは、マイクロソフトがWindows Xpの後継として、2006年に発売したWindows Vista (ウィンドウズ ビスタ)を指しております。
このソフトが本当に糞ソフト(使い物にならないOS)だったかどうかは別にして、多くの使用者の不評を買い、発売後ほどなくして表舞台から消えてしまったソフトであるのは誰しもが認める所です。 その証拠に、2007年10月にマイクロソフトがWindows 7(ウィンドウズ セブン)をリリースすると、Windows Vistaを買わないでWindows Xpをそのまま使っていた多くの人が、Windows 7に移行しました。 そこで、Windows Vistaは今も購入が可能なのか、現在(2019年6月14日)の販売状況を、アマゾンで調べてみました。
参考価格(定価)の72%引きの14,980円で、Ultimate版の新品を販売しておりましたが、購入する方はおられないでしょう。(中古品は4,980円ですが、それも同様でしょう)

WindowsVista 起動画像

私はWindows Vistaの体験版をパソコンショップから貰った関係もあって、発売前から務めていた会社の数台にインストールしていたのですが、その会社の社長もWindows Vistaを使用していて、話のついでに多くの会社の人にWindows Vistaについて吹聴していたようで、これだけ不人気になると恥ずかしい思いもしたのではないかと思っております。
私はその会社はその後退職したのですが、その会社では体験版の後はWindows Vista Business版を購入したそうです。
但し、使っていたのは数人で、社員はWindows VistaをダウングレードしてWindows Xpを使用していたようです。

私は退職後は、ソフトの開発をやっている関係もあって、Windows VistaのHome Premium (ホーム プレミアム)を購入したのですが、やはりメインではWindows Xpを使用しておりました。 その理由は、慣れの使い易さもあったのですが、Windows Xpには多くの有力なソフトが組み込んであり、それらのソフトを移行するのが大変だったためです。
Windows Xpのサポートが終わり、いよいよWindows 7に移行しなければならない羽目になりましたが、何とWindows XpからWindows 7にアップグレードするには、Windows Vistaを仲介しなければならず、しかも仲介するWindows Vistaは、私の所有するWindows VistaのHome Premium版では駄目で、Windows Vista Business版以上のバージョンが必要である事が判りました。 この時ほど、マイクロソフトが欲の塊(かたまり)の企業だと感じた事はありません。

確かにWindows VistaのHome Premium版でアップグレードを行うと、アップグレードが完了する直前で、アップグレード失敗の表示が出て、以前の状態に戻されてしまいました。
数回試みましたが同じ結果になりましたので、以前に勤めていた会社からWindows Vista Business版を借りようかと思ったり、オークションでWindows Vista Business版を購入しようかと思いましたが、アップグレードは終了する直前で戻されましたので、アップグレード自体は完了しており、その後のバージョンのチェック時にスキップをすれば良いのではないかと考え、アップグレードが完了した(と思われる)タイミングでパソコンをリセットすれば良いのではないかと考え実行してみました。

微妙なタイミングを要求されそうですが、実際には1回でそれは成功し、Windows 7にWindows Xpの中身をそのまま移行する事が出来ました。
色々な意味で精神的なダメージを受けましたので、もう2度と同じ事をやりたいとは思いませんが、このやり方自体は様々な場面で応用が出来ると思います。
例えば、私が時々用いるのは、グラフィックドライバーをインストールする場合に、最後の段階でインストールに失敗してしまう場合などです。


 Windows Vistaを弄る(第一段階)

ここからが本題になります。私の所有しているWindows VistaのHome Premium版は、サブパソコンの中でも、動作の検証用として押入れに保管したサブパソコンにインストールしておりましたが、そのパソコンの中身を入れ替えましたので、Windows Vistaを通常のサブパソコンで使用できるようにしました。 通常のサブパソコンに対応させたとは言っても、そのサブパソコンは様々なOSやエクセルのバージョンに対応させるために、起動用のハードディスクを取り換えて、多くの環境で使用できるようにしてあります。

【TIPS】
私のように起動用のハードディスクを取り換えて使っている方は、取り換える度にチェックディスクが行われのに悩まされると思います。
恐らくは、chkntfs /x D:(次回起動時にDドライブをチェックしない)を設定されていると思いますが、それでは根本的な解決にはなりません。
私も悩みましたが、原因はWINDOWS 8以降から始まった、起動を早めるためのハードスリープがシャットダウン時に自動的に設定されるためでした。
スリープ機能を使わない設定にするには、コマンド プロンプトから管理者権限で、powercfg.exe /hibernate off と入力するのが確実だろうと思います。


今回はWindows Xpをインストールしてあるハードディスクをアップグレードして、Windows Vistaをインストールする事にしました。インストールディスクはHome Premium版ですが、これを使って最上位バージョンのUltimate (アルティメット)版をインストールしてみる事にしました。 このようなインストール方法は初めてですが、インストールディスクが各バージョンで共通なのは知っておりましたので、テストする意味も兼ねて行ったものです。(違法行為だろうと騒ぎ立てる人が存在するのは存じております)
バージョンを切り分けるためのWindows Vista の(巷に出回っている)プロダクトキーは以下の通りです。(公開キーの一部だけの記載です)

Home Basic : 2WP98-KHTH2-KC7KG-4YR37-H8PHC
Home Premium : BH626-XT3FK-MJKJH-6GQT2-QXQMF
Business Retail: YFKBB-PQJJV-G996G-VWGXY-2V3X8
Business : 72PFD-BCBK8-R7X4H-6F2XJ-VVMP9
Ultimate : 6F2D7-2PCG6-YQQTB-FWK9V-932CC

全てのバージョンを試してはおりませんが、上記のUltimate版は、記載の通りの入力でインストールできました。
プロダクトキーは十数年以上前から公開されておりますので、認証は(多分)無効化されておりますが、インストールするだけなら可能です。
認証をクリアするには、認証が可能なプロダクトキーを手に入れる必要があります。(Windows Loader等のハッキングソフトでも可能ですが危険です)

以下は、Windows VistaのHome Premium版を使って、Ultimate版としてインストールを完了した時の画像です。
認証1画像
上記の画像は、表示された内容を(一部ですが)アレンジしておりますので、実際とは異なります。
いくらサポートが終了した製品とは言っても、著作権はマイクロソフトが所持しておりますので、真似られる場合は 自己責任 でお願いします。


 Windows Vistaを弄る(第二段階)

第一段階で失敗する方は居ないと思いますが、注意点としては決して認証作業は行わないでください。一旦認証に失敗すると二度と認証できなくなる可能性があります。
急いで認証をしなくても、15日間の余裕があります。それと、この時点でエラーが発生しているとSP1(サービスパック1)のUPRATE(アップデート)が成功しません。
エラー内容が「動作をブロックしています」なら問題ありませんが、「ドライバーに問題があります」のような内容だとアウトです。(インストールを避けるようです)
それから、ハードディスクの空き容量が11GB弱ないとインストールに失敗します。私は15GBの空き容量でインストールしましたが、それでもインストール終了後の空き容量は数ギガバイトになりました。

SP1にしないで使うから構わないと思われる方が居るかも知れませんが、Windows VistaはSP1をインストールしてから、次にSP2をインストールして初めて一人前になります。
SP1を飛ばしてSP2をインストールする事も出来ません。それとマイクロソフトは最初からSP2も含んだインストールディスクを発売した事がありません。オークションでSP2を含んだWindows Vistaのインストールディスクを販売している出品者がおりましたが、全て偽物の(正規品ではない)インストールディスクです。(セキュリティ上危険です)
私の場合は、SP2までインストールしないと、ビディオのドライバーをインストールできませんでしたので、アップデートは不可欠でした。


 Windows Vistaを弄る(第三段階)

SP1をインストールするためには最低でもネットワークに接続出来ている事が必要でしょう。 ビディオもデバイスドライバーが標準タイプになっておりますので動きがかったるいですが、それはしばらく我慢してください。そのネットワークですが、なぜか繋がりません。
以下の画像がデバイスマネージャの内容ですが、確かに警告マークが出ており接続できておりません。

Lan1画像

他にもディスプレイアダプタやRAIDコントローラも警告マークですが、ディスプレイアダプタは未だドライバをインストールができませんので当然ですし、RAIDコントローラはVista用のドライバーをインストールしておりませんので当然です。
問題なのは、なぜマザーボードメーカーの最新のドライバ(マザーボードの発売時期は古いですが)で、メーカーの型名も合っているのに認識をしてくれないのかです。
このポートが正常であるのは、他のOSでは問題なく動きますので、正常に動作しているのは確認は出来ております。私の場合はたまたまインテルのLANボードもこのマザーに搭載しておりましたので、ネットワークは内部、外部共に繋がっておりましたので、設定に必要なファイルのダウンロードには支障がありませんでしたが、他にネットワークボードが無い人は、途方に暮れるだろうと思いました。

かなり後になって分かったのですが、Windows Vistaの場合はドライバチップ(Realtek RTL8168/8111)が同じでもドライバによっては動作しない場合があるようです。
私が最初に見つけたのは Driver Scape と言うサイトでしたが、ドライバの記載内容は以下の通りです。
Driver Version: 106.12.1119.2014
Release Date: 2014-11-19
File Size: 5.84M
Supported OS: Windows Vista 32 & 64bit
勿論、素性が分からないサイトですので、使用上の責任は持てません。使用は 自己責任 でお願いします。

ところで、私は試しておりませんが、 日立 FLORA 270W MF1/MF2 用のドライバ で動作すると解説している方が居られます。
サイトに記載の説明は以下の通りです。
LANドライバ Ver.6.189.1213.2006
補足説明
【タイトル】 LANドライバ Ver.6.189.1213.2006
【ファイル名】 07LAN027.EXE
【バイト数】 4,342,368 Bytes
【制作者名】 (株)日立製作所 エンタープライズサーバ事業部
【対象機種】 FLORA 270W MF1/MF2
【対象OS】 Microsoft(R) Windows Vista(TM) Business
【作 成 日】 2007/04/19
本プログラムは、上記対象機種、OS用のプログラムです。その他の環境ではご使用できません。

日立製作所のエンタープライズサーバ事業部が制作したと記載しておりますが、日立がLANチップを開発している話は聞きませんので、Realtekのドライバのパクリではないかと思います。(「その他の環境ではご使用できません。」と書いておりますので、本当に日立のパソコン以外では動かないのなら、ドライバの記述は削除します)
ここでは、日立なら安心だと思う方が居られるのではないかと思って、親切心で記載をしているだけです。

下記の画像が、最終的な状態でのデバイスマネージャの内容です。
Lan2画像
私のような古いパソコンで動作させても、(使いたいかどうかは別にして)非常に軽快に動きます。
ディスクトップのデザインも、Windows 10よりは上品な感じがしますし、ディスクトップのアイコンも起動時にちらちらしません。
Windows 10がバージョンアップを重ねる度に、(操作性が段々悪くなって)Windows Vistaに似てきていると感じるのは私だけでしょうか。


 Windows Vistaを弄る(第四段階)

実はSP1とSP2を失敗なくインストールするのにはコツが要ります。
そのやり方は私が開発したのではなく、 パソコンりかばり堂本舗 さんのやり方をそのまま使用させていただいただけです。
この通りにアップデートを進めたら、特に大きなトラブルもなくすんなりとアップデートができました。
勿論、アップデートの量は膨大で、マイクロソフトから数百メガバイトのファイルをダウンロードしながら行いますので、気が遠くなる程の時間が掛かります。
すんなりとと申し上げたのは、途中で固まったりしないでアップデートが行えたと言う意味で、迅速にアップデートが出来たと言う意味ではありません。
アップデートに必要なのは、一に忍耐、二に忍耐であり、気の短い方は無理でしょう。


 Windows Vistaを弄る(第五段階)

アップデートは、サポート終了後以降のWindowsServer 2008のアップデートの分まで含めて行えば、Windows Vistaでも、そうそうウィルスには感染しないでしょう。
それよりも戸惑うのは、Windows Vistaにインストールするブラウザが無い事です。 通常の方法では、グーグルクロームもIEもVista対応のブラウザをインストール出来ません。 特にIE9はTLS1.1とTLS1.2に対応しておりませんので、httpsで始まる暗号化を行っているサイトの内容を表示出来ません。

IE9をTLS1.1とTLS1.2に対応させる方法については、前述の「パソコンりかばり堂本舗」さんのサイトを細かく見れば方法が記載されております。
具体的には、8つのレジストリの追加と2つ(32bitの場合)のレジストリの削除を行えば良いのですが、この程度でも初心者には敷居が高いかも知れません。
以下に内容を簡単に記載しておきますが、解説サイトを見た方がリンク先も記載されており、遥かに判り易いです。

TLS1.2対応方法
まずKB4056564をインストール

reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.1\Client" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.1\Server" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.2\Client" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.2\Server" /v DisabledByDefault /t REG_DWORD /d 0 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.1\Client" /v Enabled /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.1\Server" /v Enabled /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.2\Client" /v Enabled /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecurityProviders\Schannel\Protocols\TLS 1.2\Server" /v Enabled /t REG_DWORD /d 1 /f

64bit版 Vistaは4行すべて、32bit版は上2行だけで良いはずです。

REG DELETE "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\AdvancedOptions\CRYPTO\TLS1.1" /v OSVersion /f
REG DELETE "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\AdvancedOptions\CRYPTO\TLS1.2" /v OSVersion /f
REG DELETE "HKLM\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Internet Explorer\AdvancedOptions\CRYPTO\TLS1.1" /v OSVersion /f
REG DELETE "HKLM\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Internet Explorer\AdvancedOptions\CRYPTO\TLS1.2" /v OSVersion /f

グーグルクロームのVista対応のバージョンは、サイトを小まめに探せば供給しているサイトが1つや2つは見つかると思います。
私はリンク先を失念しましたが、7zで圧縮されたバージョンの49と50が見つかりました。
一応、Windows XpとWindows Vistaは、バージョンが49までと言われておりますが、Vistaは50でも動作をするのを確認しました。
「このバージョンは、アップデートを行いません」と起動時に毎回警告が出ますが、その程度は我慢しないといけないでしょう。
それ以上のバージョンは試しておりませんが、動作をしないと思います。


皆様の多少の参考になれば幸いです。

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